実名と匿名の間に仮名を挟み込む

匿名について「正体を隠すこと」という意味と「実名ではない」という意味が混同されていることがあります(“名”という文字が含まれているからでしょうか)。そこで、名前について少し整理をしていきます。

実名を仮に「日本国の戸籍謄本において本人と紐付けられる氏名」とでもしたときに、「実名とは別に継続反復して用いられ、本人と紐付けられる名称」として、仮名/通名/ハンドル名/筆名/芸名/雅号など(以下“仮名”)という概念を導入しましょう。こうすることで、匿名と実名に関する無用な混乱を回避できるように思います。

そもそも実名であることに意味がどの程度あるのでしょうか。同姓同名は普通に存在しますし、他ユーザが戸籍を確認できるわけでもありません。識別を国民総背番号制で行いでもしない限り、結局のところは「他ユーザが継続して認識できる名称」でさえあれば、実名と仮名には大差がなかったりします(実社会については面倒ですから別の話とします)。

〈まとめ〉
 ・実名
 ・仮名
 ・匿名

しかし、日常生活では意識することはあまりありませんが、ネットの世界には「実名である」ことに拘りがある人々というのが少なからず居ます。もちろん個人がどのような信条を持つかは自由ですが、自分の信条を押し付けるのは褒められたものではありません。仮名を「実名ではない」から匿名と混同して攻撃することは、無益ですから辞めておきましょう。