意見の対立をもって尊し

和をもって尊しとする、というスローガンは有名で、日本の風土にそれなりに根ざしたものでしょうが、現代文明の基調は意見の対立をもって尊しとする、だと思います。

これはテーゼとアンチテーゼをもってジンテーゼを模索することでより良いものがもたらされるという仮説です。古代ギリシアで提起されたこの理念は、一定の成果を見せ続けることで支持を集め続け、今日では世界のスタンダードにあるでしょう。そうです、和をもって尊し、ではないのです。

古い言葉での知識人という人々は概ねこの洗礼を当然に受けていて、かつ当然過ぎて無意識なままさまざまな知見を積み上げていったのかと思います。悪くいえば、知見はそういう人たちしかアクセスできないところにありましたから、それで問題はありませんでした。

ところが、今世紀に入ってそういうわけにも行かなくなってきました。今では誰もが手軽に発信できる時代です。和をもって尊しとしない世界に無自覚に乗り出して遭難するケースがそれなりにあると思うと、この点をきちんと学べると良いのかなと思う次第です。

あと、2つのマインドセットを使いこなせるようになると、強みになるかな、とも考えてます。